真っ赤なアカハライモリ-1-
真っ赤なアカハライモリ, 1st.
1-
web を探すと
「背中まで真っ赤なイモリを見つけた」
と言う記事がけっこう飛び込む。
よーーく見ると二種類あるようで、
a-背中にはまだ黒いドット部分などもありつつ真っ赤な色。
b-黒いドットがほとんどないほんとうに真っ赤と言えるような色。
があるような気がする。
と言うわけで;;「メラニン色素すなわち黒色素胞melanophore が関係しているような気がしてならない。」
2-
実は、広島大学両生類研究centre では、tyrosinase 欠損なアカハライモリが作出されている。
文献は、以下;
Generation of Albino Cynops pyrrhogaster by Genomic Editing of the tyrosinase Gene.
Authors: Nakajima, Keisuke, Nakajima, Taeko, and Yaoita, Yoshio.
Zoological Science, 33(3) : 290-294 (2016)
Published By: Zoological Society of Japan
それを利用した研究が「イモリネット」を通じて行われているようだ。
例えば、山形大学理学部では2023年4月現在、再生などの研究に使われている。
そこには見事なalbino 個体の写真が掲載されている。
転載するわけにいかないので、手書きでillust. をつくってみた。
以下;
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melanophore のmelanine 色素がなくなり、白ピンクな部分と、
xanthophore のカロチノイド色素(=これについてはおいおい書いていく)と思しき黄色な部分の個体だ。
3-
2010 年頃だと思うが、いくつかの個体の画像を保存している。
以下に、2 個体だけ掲載してみる。
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、

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上記の個体からさらに「黒み==>>赤み」へと変換した個体が、
1-で書いた「検索で出てくる真っ赤な個体」
に相当すると推定している。
さらに言うと、
2-のalbino 個体は、
上記画像の黒みを完全にとりはらって赤みが薄く黄色みとなったように見える。
4-
1-の推定, 2-の事実, & 3-の画像, をあわせて以下の推定が可能かと思う。
i-albinism(=melanin色素の関与する白化)が関与していることは事実。
ii-それだけではなく、melanophore は残しつつ「赤い部分が滲出」した形質の個体がいそうだ。
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0-
3-の画像などをみると、
ornamental (=鑑賞-用-)アカハライモリとしては、
2- の個体も綺麗ではあるけど、
4-ii-の個体も「綺麗・鑑賞価値がもっとある」かもしれない、
と思うわけだ。
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